ピンぼけ、被写体ブレ…。
結婚式のような、ライティングを控えめ、かつストロボを焚かないマニュアルフォーカス撮影は、ピント合わせが非常にシビアになる。
もっとも、今現在広く出回っているカメラは、その多くがオートフォーカスであり、ピント合わせに苦労するケースはほとんどないのかも知れないが…。
被写界深度が浅い。
これが原因だ。
被写界深度とは、ピントがあっているように見える領域のことである。
被写界深度が浅いとは、あっている領域が小さく、深いと言えば合っている領域が広いということになっている。
これは、撮影技法で頻繁に使われるもので、何か特定の人物なり、物体なりをフォーカスした場合は、被写界深度の浅くし、背景なり前部に写り込むものをぼかして撮影する。
一方で、風景写真などのようなものは、被写界深度を深くし、写り込むものすべてにピントがあっている状態にして撮る。
撮影者の意図を表すには、基本の技法なのだ。
この被写界深度というものは、焦点距離と絞りと許容錯乱円の大きさに依存している。
まぁ、分かり難い。
簡単に列挙すると、
広角レンズ…、これは焦点距離が短く、被写界深度が深い。
望遠レンズ…、これは焦点距離が長く、被写界深度が浅い。
開放…、被写界深度が深くなる。
絞る…、被写界深度が浅くなる。
許容錯乱円は、フィルムサイズに比例して大きくなり、大きくなるほどに被写界深度は浅くなる。
なるわけだ。
つまり、例を挙げると…
ポートレートなど、被写体にフォーカスさせたい場合。
望遠レンズで、絞りは開放させて、フィルムサイズの大きなカメラ、例えば中判カメラを使えば、きっとボケ味の生きたクールな写真が撮れる。
ここで、聡明なあなたは気付いたかも知れない。
今、ちまたで出回っているコンデジは被写体深度の浅い写真は苦手なのでは?…と。
そう、その通りだ。
コンデジの画像素子、CCDもしくはCMOSセンサーなのだが、まぁ小さい。
小さいと言うことは、許容錯乱円が小さくなるのだから、被写界深度は深くなる。
つまり、ボケ味を活かした撮影には不向きなのだ。
そして、さらに聡明なあなたは気付いたかも知れない。
なぜ、結婚式でストロボなしでの撮影はピンぼけ・被写体ブレが多いのか…と。
単に腕がヘボいだけではない。
ライティングが抑えられるということは、つまり光量が少ない。
ということはだ、ある程度、高感度フィルムを用いなければ、適切な露出を得るためには、シャッタースピードを遅くするか、絞りを開放させるか、なのだ。
シャッタースピードを遅くすれば、被写体ブレは必然と多くなるし、手ぶれの影響も受けやすい。
かといって、絞りを開放させると、被写界深度が浅くなり、ピント合わせが難しくなる。
それに、望遠レンズを使おうものなら、被写界深度は浅くなるし、そもそも手ぶれを防ぐためにシャッタースピードを上げなくてはならず、絞りは開放、さらに被写界深度は浅くなる…というアサクナールスパイラルが発生するのだ。
だからね、先週末の結婚式で撮った写真がピントが合わせきれていないものが多いのは、確かに私の腕の問題がほとんど占めているとは言えだ、そんなカメラ事情もあるのだよ、ということを分かって頂きたい。
え〜、そう言い訳しておこう。